やまむら歯科

from:副院長・歯科医師 三ツ口 武志



誰かが言ったことで物事が決まってしまう、というのは「論理的」な決定とは言えないのではないでしょうか。


医院の中でのスタッフの会話で、

「○○さんが言っていたので」
「○○さんの意向で決まったので」

という発言が聞こえてくることがあります。

「〇〇さんが言ったから」というのは、ある意味、自分で考えること、説明をすることを放棄していると思います。

発言をした「〇〇さん」は、判断・決断をするときに、自分の感覚だけで決めたわけではないはずです。

人と議論をして、意見を交換したり、調べたりして論理的に考えて決めている。

つまり、その判断・決断には何らかの「根拠」があるはずです。

その場にいなかった人に決定したことを伝える時に最も大切なのは、その決定に至った「論理」や「根拠」であって、「誰が言ったか」ではありません。


また、議論をして決定したことは、自分がいくら反論を持っていたとしても、決定したことを支持して実践しなければなりません。

組織として決定したことをきちんと実践しなければ、強い組織にはなっていかないと思います。

誰もが納得して賛成できる決定などはほとんどありません。

価値がある決定というは、むしろ反対の意見もありながら、論理的に判断・決定されたものです。

そういう意味で強い組織、強いチームとは、決定までは議論を戦わせるけれど、一度決定されれば反対していた人もその決定事項を着実に実践するような組織・チームだと思います。


スポーツで考えるとよくわかります。

例えばサッカーで、自分のチームが1点リードしてる時。

自分はまだ攻めて次のゴールを決めようと思っていても、監督としては守備を固めて守り切る、という決断をしたとします。

自分は「まだいける!」と思っているかもしれませんが、監督は残りの時間、自チームと相手チームの選手の状態、次の試合のことなどを総合的・論理的に考えて決断しているわけです。

そこで自分が指示を無視して守備を怠ったらどうなるでしょうか?

相手に守備にできた綻びを突かれて、チームは勝ちを逃すことになるかもしれません。

その時、チームの仲間、試合を観に来た観客はどう思うでしょうか。

それと同じことが、仕事の場でも起きないとは言えません。



話し合って決定に至ったことは実践をしないといけません。

そして、そのプロセスで大切なのは「誰が言った」ではなく「なぜそれをするのか?」という論理・根拠です。

ということは、誰かに指示を与えたり、依頼を伝えるときはその決定の論理や根拠を必ず伝えなければいけないと思います。

「何のためにこれをするのか」という論理的な理由を理解できていれば、スタッフも仕事がやりやすくなります。

日々の診療でもそうで、患者様も「何のためにこの治療をするのか」「どこが悪いから治療をするのか」という説明がしっかりあれば治療のモチベーションが高くなるはずです。

「誰が言った」ではなく、「なぜそれをするのか?」「何のためにするのか?」を伝えること、聞くこと、考えることを大切にしましょう。