客観と主観
from:副院長・歯科医師 三ツ口 武志
毎日の業務を円滑に進め、トラブルを回避するためにはコミュニケーションが欠かせません。
ですが、スタッフ達の報告を聞いていると、主観と客観が区別できていないな、と思うことがあります。
例えば、医院の中で「子どもの矯正のことを知ってもらう相談会開催のご案内を親御さんにしましょう」と決まったとします。
スタッフに「その後、ご案内はうまくいっていますか?目標の参加者数は達成できそうですか?」と尋ねます。すると
「ご案内できています。うまくいっています。」
という回答が返ってきます。
この回答を聞くとこちらとしては、実際うまくいっているかどうか客観的に判断ができないな、と思ってしまいます。
聞かれたスタッフは、決して間違っているわけではないと思います。
きっと他のスタッフ達が診療の前後に親御さんに親身になってご案内している様子や、目標の参加者数と今の申込者数なども知っていて「うまくいっている」と自分では考えていたのだと思います。
しかし、それはあくまでその人の主観的な判断で、他のスタッフからすると「まだ参加者が少ない」と思っているかもしれません。
「主観」というものは、人によって変わるものです。
「客観」というものは、人によって変わらないものです。
何かの判断をするときというのは、客観的な数字やデータを基にして判断しなければなりません。
報告の時は、客観的な事実と主観の感想を分けて伝えることが大切です。
だから、この場合で言うと、
「目標の人数が○人で、現時点で○人集まっています。」(客観)
「いま1日〇人の人に声をかけていて、1日約〇人申込があるので、期日までには達成できると思います。」(主観)
というような感じですね。そうすれば報告を聞いた人も判断がしやすくなります。
だから常に数字やデータという客観的な事実に基づいて判断することが大切です。
客観的な事実に基づいて判断することができるようになると、問題点を把握したり予測することができるようになります。
自分がどう考えようが、他人がどう考えようが、数字やデータは事実であり揺るがないものです。
だから、事実と解釈をしっかりと分けて、その客観的事実をベースに物事をしっかり考えることを続けていれば、何がうまく行っていて、何がうまく行ってないのか、何が原因でこの数字やデータが変わるのか、という判断や予測ができるようになります。
だからこそ、常日頃から自分のやったことを記録しておいたり、皆で共有して客観的な意見を聞くことはとても大切だと思います。
数字やデータを基にして「事実を基に判断する」練習をしましょう。
それは、あなたの身になり思考パターンになります。